2013年2月24日日曜日

第73回 坐禅会新聞



「涅槃会」
 
二月十五日は、お釈迦様がお亡くなりになった日にちなんでの「涅槃会」の日です。
お悟りを開かれたお釈迦様はその後、四十五年にもわたり、人びとに教えを説く旅を続けられました。その間、多くの人びとがお釈迦様の教えに導かれ、お弟子や信者となっていきました。
その伝道の旅の最後の地となったのは、クシナガラという所でした。
いよいよ自分の死が近いことを察したお釈迦様は、弟子たちにこう説かれました。
「私の亡きあとは、私ではなく自分自身をより所として、また私が伝えた教えを、闇を照らすともしびとして、歩んでゆきなさい」
 お釈迦様は個人崇拝の対象となることを否定され、弟子一人ひとりが確かに、自立して進むことを求めたのでした。
そして「もろもろの存在は変わりゆく。怠らず精進しなさい。」という最後の言葉を残し、静かに息をひきとったのでした。
 この最後の説法は「仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう)」という経典となり今日ではお通夜に唱える場合も多くあります。
 お釈迦様のご命日である涅槃会の日には、全国各地の寺院でお釈迦様の最後の様子を描いた「涅槃図」をかけて、そのご遺徳をしのぶ法要が行われます

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